オリジナルTシャツが著作権を侵害?アイテムの特徴や注意点などを詳しく解説

オリジナルTシャツの作成を検討している方のなかには「どこまでの範囲で作れば著作権の侵害にはならない?」と疑問を抱いている方もいるのではないでしょうか?安全にTシャツ作りを楽しむには完全オリジナルのTシャツを作成するなど、いくつかポイントがあります。

今回はオリジナルTシャツの著作権について解説します。著作権の侵害とみなされるTシャツの特徴やオリジナルTシャツを作る際の注意点などを知りたい方は、参考にしてください。

オリジナルTシャツは著作権を無視してはいけない

オリジナルTシャツを創作する際、避けて通れないのが「著作権」です。自身のオリジナルデザインでTシャツを作成する場合は問題ありませんが、他人のデザインをそのまま利用したり似せて作ったりすると著作権の侵害行為とみなされる可能性があります。

また、著作権は他人の作品だけでなく、自身のデザインも対象です。まだ誰も作っていないデザインでオリジナルのTシャツを世に広めましょう。

著作権とは「著作物を保護する権利」

著作権とは、著作物や創作した著作者を守る権利です。

著作権法における著作物の主な定義は「思想又は感情を創作的に表現したものであつて、文芸、学術、美術又は音楽の範囲に属するもの」とされています。独自の発想で表現したものに著作物としての権利があることを示しています。(参考元:著作権法

オリジナルTシャツを作成する際にとくに気をつけるべき著作物は、以下のとおりです。

  • 映画
  • 音楽
  • 写真
  • 美術
  • 文章

著作物の扱い方によっては、著作権を侵害したとみなされる場合があるため注意しましょう。著作権を侵害したと判断され裁判に発展した場合は、著作権法第119条「10年以下の懲役もしくは1,000万円以下の罰金」が科される可能性があります。

Tシャツの著作権に関する判例

Tシャツに関する著作権の侵害問題は、過去に裁判にまで発展したケースがあります。

令和5年9月29日、原告が販売したTシャツの著作権が侵害されたとして、裁判が開かれました。被告が販売したTシャツは、原告のデザインした女性の服装や姿勢、イラストの構図などと表現が共通しています。

原告は、自身のデザインが美術鑑賞の対象となり得る美的特性を備えている点や思想や感情を創作的に表現したものである点などを主張しました。その結果、著作物として保護されるべき条件を満たしていると判断され、被告側に著作権の侵害行為があったとみなされています。

また、原告のイラストの特徴と被告のイラストの特徴がすべて偶然共通するとは考え難く、原告のイラストが販売されたあとに被告の類似作品が販売されたことなども判断基準となっています。(参考元:知的財産裁判例集

【NG】著作権の侵害とみなされるTシャツの5つの特徴

オリジナルTシャツを作る際は、著作権の侵害にあたるケースに該当していないかをしっかりと確認しましょう。好きなアーティストの歌詞の一部を使用するなどの行為は、著作権の侵害とみなされてトラブルに発展するかもしれません。

ここでは、著作権の侵害とみなされるTシャツの特徴を5つご紹介します。

行為著作権の侵害とみなされる理由
歌詞の一部を使用する音楽作品の著作権には楽曲だけでなく歌詞も含まれるため
キャラクターのイラストの印刷を業者に依頼する業者への印刷代行依頼は、私的使用の範囲を超えるため
SNSにアップされた写真を無断転用する腕前関係なく、著作権は撮影者にあるため
現存のイラストをパロディし作成する現存の作品とは異なるメッセージを伝える恐れがあるため
芸能人の似顔絵を印刷する名前とセットで業者に印刷を依頼するなど、似顔絵とほかの条件が相まって権利を侵害する可能性があるため注意

歌詞の一部を使用する

歌詞の一部を切り取ってTシャツに印刷する行為は、著作権の侵害にあたります。

音楽作品には、楽曲だけでなく歌詞にも著作権が存在します。そのため、楽曲タイトルや好きなフレーズを無断でTシャツにプリントしてはいけません。

ちなみに、CDジャケットにも著作権が存在します。CDジャケットのデザインや写真をTシャツに印刷する行為も著作権の侵害とみなされる可能性があるため注意しましょう。(参考元:日本レコード協会

キャラクターのイラストの印刷を業者に依頼する

アニメや漫画に登場するキャラクターを自作Tシャツとして楽しむために印刷し個人で使用する場合は、著作権の侵害にはあたりません。しかし、業者へ印刷を依頼する行為は著作権法第30条「私的使用のための複製」に反するとみなされます。

たとえば、友だちの誕生日パーティーで着用するためのオリジナルTシャツを作る際、個人で製作し、その場のみで使用するのは問題ありません。しかし、業者をつかって量産する行為は違法です。

すでに発表されている作品には著作権が存在するため、業者を使って印刷するのは避けましょう。(参考元:著作権法

SNSにアップされた写真を無断転用する

XやInstagramなどのSNSに載せられた写真を勝手に使用する行為も著作権の侵害です。

楽曲と同様に、写真にも著作権があります。SNSにあげられた写真の著作権は、プロや初心者を問わず、撮影者にあります。

そのため、お気に入りだからと、人が撮った写真を無断でオリジナルTシャツの反映させるのは違法行為です。

現存のイラストをパロディし作成する

他人のイラストをパロディしオリジナルTシャツに採用するのは、著作権の侵害とみなされる行為です。

現存の著名な作品を対象に、特徴を残しながら少し表現を変えてデザインをすると、元の作品に込められた思想と異なるメッセージを伝える恐れがあります。作品自体の品格が失われたとみなされれば、著作権に反するでしょう。

しかし、パロディの著作権については、判断が難しいとされています。著作権を侵害したとみなされトラブルに巻き込まれないためにも、現存のイラストをパロディ化しオリジナルTシャツに反映させるのは、なるべく避けるのがよいでしょう。

Tシャツトリニティ』では、パロディデザインの基準を設けています。詳しくは以下のページをご確認ください。
パロディーデザインの承認基準と過去に権利侵害通告を受けた主な企業様・権利者様一覧

芸能人の似顔絵を印刷する

芸能人の似顔絵をTシャツにプリントすると、肖像権の侵害とみなされる可能性があります。芸能人に似せた絵が著作権の侵害であると断定には至りませんが、イラストと名前を一緒に印刷し、業者にプリントを依頼するなどした場合は権利の侵害にあたるケースもあるでしょう。

また、芸能人が過去に販売をしたグッズに採用されていたイラストと、オリジナルで作成したイラストが類似した際は、著作権を侵害する行為と判断されるかもしれません。オリジナルTシャツ作成時は、芸能人の似顔絵の採用は避けるべきといえるでしょう。

Tシャツトリニティ』では、作ってはいけないTシャツのポイントを動画で紹介しています。詳しくは、以下を参考にしてください。
どんな場合が各種権利侵害になりますか?

著作権を侵害せずにオリジナルTシャツを作る3つのポイント

オリジナルTシャツは、しっかりとポイントを把握しておけば著作権の侵害を防げます。オリジナルTシャツ作りを楽しむためにも、トラブルを未然に防ぎましょう。

ここでは、著作権を侵害せずにオリジナルTシャツを作るポイントを3つご紹介します。

  • 完全オリジナルのデザインで作成する
  • 著作権を有する作者や企業に許可を取る
  • テンプレートを所有するプリント業者を活用する

完全オリジナルのデザインで作成する

自身で一からデザインを考えたオリジナルTシャツは、著作権の侵害にはあたりません。

著作権の侵害は、すでに発表されている作品に対しての行為です。完全オリジナルのデザインで作成したTシャツは、デザインを生み出したあなたに著作権があります。

他人の著作物を完全にマネして別の作品を生み出す行為は著作権の侵害にあたりますが、表現の一部を参考にする程度であれば、著作権侵害の可能性は低くなります。他人のアイデアは参考程度に、自身の発想をもとに素敵なデザインのオリジナルTシャツを世に生み出しましょう。

オリジナルデザインを考案しても、意図せず文字や商品名が商標権を侵害する可能性もあります。オリジナルデザインが著作権の侵害とみなされないためにも、しっかりと商標の確認をしましょう。詳しくは、以下のページで解説しています。
クリエイター会員として利用上注意することやリスクはありますか?

著作権を有する作者や企業に許可を取る

どうしても使用したい写真やデザインがあるのであれば、著作権を所持する作者や企業からの許可を得るのも1つの方法です。

たとえば、友だちの写真を使ってオリジナルTシャツを作る場合は、撮影者や写真に写る友だちからの許可が必要です。合意を得てから作成すれば、著作権の侵害行為にはあたりません。

また、既存のイラストをプリントしたい場合は、イラストの著作権を有する企業などに許可を得ましょう。無断で適用した場合は、著作権の侵害とみなされるため注意が必要です。

テンプレートを所有するプリント業者を活用する

Tシャツのプリントを手がける業者のなかには、オリジナルのテンプレートを所有している業者もいます。

業者のオリジナルテンプレートは、会員であれば自由に利用可能です。テンプレートを使用すれば、著作権の心配をせずに安心してデザインの作成ができます。

クラスTシャツの作成でテンプレートを使用すれば、絵を上手く書けなくてもおしゃれな装飾ができるでしょう。デザインを考案する時間の短縮もでき、手間をかけずにオリジナルTシャツの作成が可能です。

Tシャツトリニティ』では、テンプレート機能を使って簡単にオリジナルTシャツが作れます。誕生日やスポーツなど、ジャンルごとに特集を組んだページをご用意しているため、検索しやすいのも特徴です。

パブリックドメインの作品も自由に利用可能

パブリックドメインの作品は、オリジナルTシャツへの利用が可能です。

パブリックドメインの作品とは、一定の保護期間が経過し著作者のいる作品を社会全体の著作物として共有することをいいます。日本での著作権を有する作品の保護期間は、著作者の死後や公表後70年が経過するまでとしています。

保護期間の計算は死後や公表後の翌年の1月1日からが対象となるため、有名な漫画家が2000年に死去した際の著作物の保護期間は、2070年12月31日までです。保護期間が経過した作品は、誰もが自由に扱えます。

ただし、著作者を否定する表現などは適切ではありません。他人の作品の扱いには十分注意しましょう。(参考元:著作権情報センター

★『Tシャツトリニティ』では、創作性や独自性のあるデザインを高く評価しています。独自の発想力で勝負したい方はぜひ『Tシャツトリニティ』でオリジナル商品を出品してみましょう。

オリジナルTシャツを作る際の3つの注意点

オリジナルTシャツ作りでは、著作権だけでなく肖像権にも注意するなど、いくつか押さえておきたいポイントがあります。オリジナルTシャツを作る際の注意点は、主に以下の3つです。

  • 私的利用でも著作権の侵害とみなされる場合がある
  • 肖像権にも注意する
  • フリー素材にも著作権が存在する

私的利用でも著作権の侵害とみなされる場合もある

著作権の存在する作品でも、個人的に楽しむのを目的としてオリジナルTシャツを製作するのは可能とされています。そのため、上記の範囲であれば、好きな映画のシーンや推しのイラストをプリントしても問題ありません。

ただし、印刷方法には注意が必要です。個人で楽しむ場合でも業者に印刷を依頼する行為は、著作権法第30条の「個人的または家庭内その他これに準ずる限られた範囲内」を超える行動とみなされるため、著作権の侵害をしたと判断されます。

他者が著作権を有する作品をTシャツに印刷し、着用して写真を撮るのは問題ありません。しかし、撮った写真をインターネットに載せたり外出時に着用したりする行為は、著作権の侵害にあたる可能性があります。(参考元:著作権法

肖像権にも注意する

オリジナルTシャツを作る際は、著作権だけでなく肖像権にも注意しましょう。

肖像権とは、勝手に撮影された写真を無断で利用や公表をさせないための権利をいいます。肖像権は法律で定められているわけではありませんが、判例で認められた権利の1つです。

肖像権は有名人だけでなく一般人も対象となるため、知人の顔とはっきり認識できる写真を無断でTシャツに反映した場合は、肖像権の侵害にあたる可能性があります。肖像権の侵害は、損害賠償を請求されるなどのトラブルに発展するケースが考えられるため、しっかりと許可を取ってからオリジナルTシャツを作成しましょう。

フリー素材にも著作権が存在する

インターネットで公表されているサイトのなかには、無料で両可能な画像やイラストが豊富に存在します。しかし、フリー素材だからと著作権がないわけではありません。

フリー素材を自由に扱えるのは、利用規約の範囲内です。利用規約に商用目的の利用は禁止と謳われているにもかかわらず、個人的に利益を得る目的として活用した場合は、著作権の侵害にあたります。

フリーイラストサイトのなかには、ホームページ内に「著作権は放棄しておりません。」などと、著作権の譲渡に関する情報を記載している場合があります。

トラブルを防ぐためにも、フリー素材を使ってオリジナルTシャツを作成するのは避けましょう。

★『Tシャツトリニティ』はTシャツの販売だけでなく、個人で楽しむことにも力を入れています。個人用のオリジナルTシャツ作成機能を駆使して、あなただけの魅力的なTシャツを作ってみませんか?

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オリジナルTシャツを作る際は、著作権の侵害に注意しましょう。

個人で楽しむために、好きなイラストを印刷してオリジナルTシャツを作成するには問題ありません。しかし、Tシャツのプリントを業者に頼んだりSNS上に無断で掲載したりするのは、著作権の侵害行為です。

また、フリー素材にも著作権が存在するケースもあるため、扱いには注意しましょう。

Tシャツトリニティ』では、オリジナルのデザインテンプレートを用意しています。

簡単な操作でおしゃれなTシャツに仕上げられるため、デザインを考えるのが苦手な方にもおすすめです。テンプレートは、著作権を気にせず活用できるため安心感も得られます。

著作権のトラブルを避けてお気に入りのTシャツを手に入れたい方は、ぜひ『Tシャツトリニティ』をご活用ください!