丸(見聞諸家紋)

【まる】文字紋。
丸文字を紋章に選んだのは、恐らくその字画が鮮明であるばかりでなく、この文字には、完全無欠という意味がふくまれていたからであろう。
丸文字紋は『見聞諸家紋』に初めて見られた。同書には安東氏の家紋としてこれを掲げている。
丸文字紋は筆勢を示したものがただ一種あるだけである。(沼田頼輔著「日本紋章学」)/さて、先に登録した時、原図から紋章化するにあたって実は一つ迷っていたことがあった。それは描法が現在の「染め抜き紋」あるいは「地割り紋」ではなく「素描紋(蕊描き)」であったため、これを現在風に変換する必要があって、この変換解釈に一つの迷いがあったのだ。具体的には、これは文字を紋章化しているのだから文字の構成要素を通常の紋章のように、地割りという描法(面と面の間の余白である「割り」を「線」と仮定するもの)では作図しなかったことに対する是非である。
昨日(2016.4.10)、伊藤幸作氏の「日本の紋章」他の「丸」の図案を染め抜き紋で見た時、先の私の解釈は間違っていたと気づき、ここに改めて登録する次第です。

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